A Way To Now(here)

Apr 167 min read

人を雇うことの難しさ。零細個人事業主としてのスケールアップ戦略

今まで自分が担当していた顧客の仕事に割けるリソースがなくなってきたため、新しく引き継ぎをお願いできるフリーランスを探さないといけない状況になった。

私はその顧客に対してコンサル業務を提供しており、期間を設定した上で「●ヶ月後には一人でビジネスを回せるようにアドバイスを提供する」という目標を設定してやってきた。一応その目標として顧客に独り立ちしてもらう準備は整えてきたが、顧客としては私のコンサルに価値を感じているので継続してほしいということと、私が今までやってきた事務的なことをお願いする人がいなくなるのは困るということが要望として上がった。

元々事務作業は自分がビジネスとして提供するものではないが、今回は今後このコンサル事業を拡大することを前提に、作業をマニュアル化するためにまずは一旦自分でやってみようと思って数ヶ月間は担当してきた。その上で自分が徹底して行ったことは事務作業を担当する「Admin」としての架空ペルソナを設定し、俗人的な要素を排除できるように、つまりはオートメーションと相性が良い形での事務作業を行ってきた。なので、事務作業に関しては細かく作業もマニュアル化して引き継ぎをすることは容易な状態になっている。

顧客として、そう言った事務作業をオートメーション化して他のテキトーな人に「作業」としてお願いすることには何の問題も感じていないが、マーケティング文章と戦略の面ではテキトーな人にお願いしたくないため私に継続してほしいとのことだった。

この先これからさらに利益拡大していける事業者は、おそらくこの部分さえも自動化できるスキルを持っている人たちだろう。今の現状で言えば、そのスキルを持つ人たちの数が少ないことで付加価値をつけて高額のフィーを請求できるが、やはりいずれにしてもスケールアップの面で同じ問題にぶち当たり、俗人的な要素を排除しきれない。

元々私は数年前、自分自身が今の顧客の立場にあって(その時はコンサルを使わなかったが)自身のビジネスを拡大してスタッフを20名以上抱える状態になったが、その時に人を雇うことの難しさ、教育することの難しさを身をもって感じ、自身の力量不足を感じて燃え尽き、ビジネスを自分の範囲内だけで扱える形に縮小した経緯がある。

そう言った経験から出た結論である「一人でやれるビジネスの形を模索する」ということを徹底していくとすれば、このコンサル事業自体を今後も継続していくべきかどうか考え直す必要がある。しかし、今現状として需要があるのはこういった仕事であり、あの時できなかった「人を雇って教育する」ことの再現性を確保していく時期にあると考えることもできるかもしれない。

ではなぜそもそもこの仕事を受けたのか?実はこの業務に関して自分の興味関心は薄かったが、タイミング的にコロナの時期でやることがあまりない時にきた打診であり、クライアント側が切羽詰まっていたので助けられたらと思って引き受けたというのが大きい。また、以前自分が感じた「俗人的な要素による失敗」をどう克服することができるか、このプロジェクトを通じて発見できたらいいなという思いもあって受けることにした。

そういう意味では単純にこの事業自体を契約通りに「期間が終わったので完全に終了します」ではなく、俗人的な要素を排除した形のソリューションを提供することに挑戦してみる方が良いのではないか?と今これを書いてて感じる。

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